かごしまクリエイティブライフ

鹿児島市へのクリエイター限定移住施策始めます。

(市役所担当者インタビュー)

―よろしくお願いします。はじめに、自己紹介をお願いします。

クリエイティブ人材誘致事業を担当しております 鹿児島市産業創出課の片平です。本日はよろしくお願いします。

―ありがとうございます。今回、鹿児島市がクリエイターに特化したUIターンを募集するとのことですが、鹿児島市へのクリエイターUIターンの特徴と概要を教えてもらえますか。

はい。今回の本市のUIターン施策の特徴としては、まず対象者を「クリエイター」に限定しているということです。これは全国的に見てもすごく珍しい施策だと思います。求めるクリエイターとしては、情報通信、映像・コンテンツ制作、デザイン、芸術の業種で活躍されている方になります。また、そういった方とともにビジネスを行っているプロデューサーやディレクターの方も対象としています。今回の施策の優遇措置としまして、移住にかかる交通費用や事業所改修費用及び設備投資費用について補助金制度を用意しています。交通費や新たな事業所開設など移住には費用がかかりますが、(予算に制限はありますが)この補助金制度をぜひ活用して移住をしていただきたいと思っています。なお、注意点としては、この補助金は、まず応募していただき審査会による補助金交付決定後に移住をしていただくことになりますので、移住後に応募はできません。そこは注意が必要です。(※詳しくは補助金の要綱等を参照のこと。) あと、特徴的な施策としては、お試し移住でしょう。実際の生活環境やビジネス環境などを、短期または長期滞在する中で体感してもらうというもので、鹿児島での生活のイメージを掴むためにも、ぜひ参加してほしいですね。特に長期滞在は、企業へ約1ヶ月間インターンシップし、鹿児島の企業が抱えている課題に挑む実践型のインターンなのが特徴です。

―なるほど。クリエイターだけの移住施策面白いですね。補助金も魅力的です。鹿児島市ではこのようなクリエイター支援を前から行っているとのことですが、今回のUIターン施策に至るまでの経緯や理由を教えていただけますか。

はい。鹿児島市では、これまで「デザイン等のクリエイティブ産業の育成支援と集積促進」や、デザインやコンテンツ業など「知識集約型産業」の振興に向けて、「かごしまデザインアワード」や「デザイナー等を育成するためのセミナー」を開催してきました。また、インキュベーション施設である「ソフトプラザかごしま」や「ソーホーかごしま」において、創業間もない事業者の経営基盤の強化支援などにも取り組んできています。これら事業の成果および市内各学校の協力もあり、市内のクリエイターのレベルは年々上がっていると企業担当者さんからも評価をいただいております。そして、これら事業を進める中で、育成だけでなく優秀なクリエイターの鹿児島市への誘致も必要だと考えるに至ったところです。

―そうなんですね。

はい。これからの人口減少社会を迎えるにあたり、市場のパイの縮小が見込まれる中で、都市間競争を勝ち抜くためには、今後、さらに付加価値の高い商品開発や創造的な新商品開発を増やすことが必要です。市域外からの外貨を稼ぐことが大切だと考えているんです。また、商品等を通じたかごしまのブランド力を強化して情報発信し、交流人口の拡大を図ることも必要であると感じています。これらを実践するためには、地元のクリエイターの育成だけでなく市が率先して、首都圏に集まっているクリエイティブな人材を誘致して、クリエイティブ関係事業者と地元業者との連携を促進し、さらなる商品・サービスの付加価値向上や新商品等の開発などを行っていかなければならないと考えています。

―ありがとうございます。少し話にも出ていましたが、鹿児島市のインキュベーション施設について教えていただけますか。

はい。鹿児島市では「ソーホーかごしま」と「ソフトプラザかごしま」というインキュベーション施設を持っています。そのうちの「ソフトプラザかごしま」は、本市における情報関連産業を育成支援するとともに、中小企業の情報化を促進することを目的として、平成13年に供用を開始しました。鹿児島市役所の近く(徒歩5分ほど)に位置し、これまでに数多くの事業者の経営基盤強化などの支援を行ってきました。今回、この施設を平成30年度にリニューアルする予定です。リニューアルの目的としては、デザイン等のクリエイティブ産業の育成支援と集積促進など、本市の産業振興の方向性や社会経済情勢等の変化を踏まえる中で、支援対象業種を「情報関連産業」を含む「クリエイティブ産業」に拡大し、その育成・支援の拠点施設として発展的に見直しを行おうとしています。UIターンしたクリエイターの方と地元クリエイターや企業の方や学生、研究者などいろいろな方がこの施設に集い、交流をしていただき、新産業の創出や地域活性につながっていけばよいなと思っています。

―鹿児島市の立地や環境面などについて教えていただけますか。

桜島や錦江湾に代表される豊かな自然とその景観は最高だと思います。桜島に向かう桜島フェリーから眺める桜島は壮大で迫力がありますよ。あと、なんといっても桜島は現在も活動中の活火山ですから。これは世界中でも大変珍しい景観ですし、クリエイティブ意欲を掻き立てる環境だとも思います。そして、温暖で暮らしやすく、食材の提供地として知名度も高いように、食が豊富でおいしい。あと、大都市と比べると食費などの生活費や遊興費が割安です。また、疲れを癒すことのできる温泉が多いことも魅力です。日常的に温泉施設を利用される方も多いですね(市内の銭湯の大半は温泉)。また、特に大都市から移住を考えている方にとっては、都市機能も気になるところでしょう。その点、鹿児島市は南九州最大の商業集積地であり、都市機能も充実しています。クルマがあればもちろん便利ですが、市電やバスは日常的に走っていますので繁華街と住宅地の往復も不便は感じないはずです。田舎過ぎないことも魅力の一つではないでしょうか。地方移住はしたいけど、商業施設でショッピングも楽しみたい、そういったニーズも満たしていけるのではないしょうか。

―ありがとうございます。県民性などはどんな感じですか?

確かに実際に住む上では県民性も気になるところだと思います。鹿児島県民は比較的のんびりしていますね。おせっかいな県民性と言われることもあるようです。また、地方移住や田舎への移住でよく話にのぼる「地域との関係性」については、鹿児島市は県庁所在地でもあり60万都市ですので、少し寂しくはありますが、そういう地域とのつながりも昔に比べればあまり煩雑ではなくなってきていると思います。そういった意味でも都会から移住される方も比較的溶け込みやすいのではないでしょうか。まあ少し田舎へ行くと方言がぜんぜん聞き取れなくてビックリといったことはあるかもしれませんけど(笑)。

―そうなんですね(笑)。どのようなクリエイターに鹿児島市に来ていただきたいですか?

はい。鹿児島のクリエイティブシーンに飛び込んでいただけるクリエイターは大歓迎です。移住されたクリエイターには、鹿児島で仕事をする中で、自身の技術やノウハウを生かした、独自性や新規性がある商品やサービスの開発にじっくり取り組んでいただきたいと思っています。もちろん積極的に、市場における訴求力の高い、こだわりのある商品やサービスの開発など行うことができる即戦力の人材は求めるところですが、まずは鹿児島のクリエイターや企業さんなどと交流を図ってもらって、鹿児島のクリエイティブを盛り上げてもらいたいですね。鹿児島のクリエイティブが活性化することが、地域資源や今ある商品・素材にデザイン面や情報発信面で、新たな価値を創出することに繋がっていくことになるのではないかと考えています。

―首都圏から有能なクリエイターが移住することによって、地元のクリエイターの仕事が失われるのことにはなりませんか?

移住によって、業界内の競争相手は増えることにはなりますが、鹿児島市に魅力ある商品やサービスが増え、情報発信力が高まれば、首都圏など域外からの仕事の受注が増えることにもつながり、また観光客の増加にも貢献していくものと考えています。レベルの高い競争相手が増えることによって、地元のクリエイターの意識高揚や業界のレベルアップにも貢献するものと考えています。

―ありがとうございます。では最後に移住を考えているクリエイターの方にメッセージをお願いします。

鹿児島は、「食」や「観光」など本市の特性や地域資源を生かした産業が盛んですが、残念ながら付加価値率を見ると低い現状にあります。その付加価値向上を図るためには、デザインなどのクリエイティブな要素は重要です。ただ、現時点では鹿児島市の産業としてはまだまだ強くはありません。これからの鹿児島市には、事業者が経営におけるデザインの有用性を理解することとと、デザイン需用を賄う人材の育成が必要になります。もちろん鹿児島市の施策として、付加価値向上を担う人材の育成は進めていきますが、これらをリードする即戦力として、クリエイティブ人材の誘致が必要なのです。 慣れない土地への移住は、当然不安があると思いますが、その不安を吹き飛ばすクリエイティブな仕事が、まだまだ鹿児島には眠っています。鹿児島のクリエイティブを掘り起こし、それを担う人材として、ここ鹿児島市に移住してみませんか。興味のある方は、まずは「お試し移住」や「かごしまデザインアワード」に参加してみることからはじめてみてください。皆さんと鹿児島市で会えることを楽しみにしています。

―ありがとうございました。

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